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お気に入りの品種でいくつも作りたくなる!「パンジー&ビオラの寄せ植え」 2022年10月号

お気に入りの品種でいくつも作りたくなる!「パンジー&ビオラの寄せ植え」

冬のガーデニングシーズンに欠かせないパンジー&ビオラ。
毎年たくさんの花色と花形の苗が園芸店の店頭に並びます。
寒さに強く、丈夫で春までの長い期間、元気に咲いてくれます。
地植えでも鉢に単植でも華やかですが、今年の冬は鉢やリーフ類にこだわって寄せ植えしてみませんか。
誰かに自慢したくなる、おすすめのパンジー&ビオラを使った寄せ植えをご紹介します。


用土は何を使えばいい?

寄せ植えに使う土は、あらかじめブレンドしてある草花用培養土がおすすめです。保水性、排水性のよいものが適しています。元肥が入っていないものには規定量を混ぜ込んでおきましょう。容器の底には深さに応じた鉢底石を敷きますが、ハンギングバスケットやリースは土の量が少ないので入れません。

鉢はどんなタイプを使えばいい?

陶器の鉢や木製のコンテナのほか、軽くて移動が楽なブリキ容器もあります。最近ではしゃれたデザインの鉢やコンテナが出回っているので、作りたい寄せ植えのイメージに合うタイプを選んでください。特におすすめしたいのが、取っ手の付いたカゴタイプのものです。つるやワイヤーでできたものは内側にココヤシ繊維のマットを敷き込めば土こぼれを防げ、ナチュラルな雰囲気に仕上がります。リース型やハンギングバスケット容器にもぜひトライして、華やかな雰囲気を楽しんでみてください。

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花合わせのポイントは?

大きめの鉢ならパンジー、小さな鉢ならビオラをメインにするのがおすすめです。メインに植えたいパンジー、ビオラを決めたら、同系色、もしくは反対色の小花を選びます。反対色というのは、互いに異なる色みをもつ組み合わせのこと。赤やピンク系なら緑の濃淡、黄色やオレンジ色ならブルーの濃淡が反対色になります。花選びに迷った場合はイベリスなどの白い小花を利用してみてください。パンジー、ビオラの花色の邪魔をせず、美しく引き立ててくれます。
次に寄せ植えを引き締めてくれるブロンズリーフや、優しさを出してくれるシルバーリーフ、動きを出してくれるハゴロモジャスミンなどのリーフを選びます。例えば、小さな寄せ植えならビオラ+ブロンズリーフ+コクリュウだけで十分すてきに。冬の間、植物の成長は比較的緩やかになるので、密植ぎみにしても大丈夫です。

透明感のある淡ピンクが美しい!
ビオラ ‘ビビ ピンクアンティーク’

ʻビビ ピンクアンティークʼ はまだ寒いうちから花をつけてくれ、冬から春の寄せ植えではとても頼りになります。春になり気温が上昇するとドーム形にきれいにまとまり、形が乱れないのも助かります。濃い葉色の ʻプリンセスクローバーʼ と丸い葉が愛らしいグレコマと合わせ、ココヤシマットを敷いたワイヤーカゴに植え込みました。ビオラの透明感のあるアンティークなピンク色とよく合います。

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トリフォリウム ʻプリンセスクローバー エステルʼ

北欧で育種された品種で、葉の中心の濃い褐色と縁のグリーンの対比が美しい。耐寒性があり丈夫で、ビオラと混じり合うと特にきれい。

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配置図
  1. ビオラ ʻビビ ピンクアンティークʼ
  2. トリフォリウム
    ʻプリンセスクローバー エステルʼ
  3. グレコマ

容器のサイズ/直径23×高さ10㎝

取っ手は含まず植え込み部分のみ。

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[管理ポイント]冬と春、水やりはどうする?

冬の間は鉢の表面の土が乾いたら水やりします。春になったら「朝はまだ乾いてないけれど、夕方まではどうだろう」という時は迷わず水やりを。日中に気温が思いがけず上昇して外出先から戻ったらぐったりということもあります。

大人っぽくかわいらしい花色が魅力
ビオラ ‘ビビ アプリコットアンティーク’

アプリコット色系のグラデーションというしゃれた花色が魅力のビオラは、寒いうちから小さな花が咲き、暖かくなるとびっしり花を咲かせ、元気いっぱいで頼もしい限り。常緑のクレマチス・ペトリエイの黄緑色の花が咲くころにビオラも満開になります。少し変わった草花を加えることで、オリジナル性も高くなります。寒さで葉色が少しダークになったチェッカーベリーが寄せ植えの引き締め役に。

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クレマチス・ペトリエイ

グリーンがかった花色がとても魅力的。ビオラと寄せ植えにするとパセリのような葉と優しく曲がった茎が一層引き立ちます。

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配置図
  1. ビオラ ʻビビ アプリコットアンティークʼ
  2. クレマチス・ペトリエイ
  3. チェッカーベリー

容器のサイズ/横23×奥行18×高さ11㎝

取っ手は含まず植え込み部分のみ。

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花色を表した花名がキュート!
ビオラ ‘クリームソーダ’

ライトブルーとクリームイエローの色合わせがさわやかなビオラ。クリームイエローに合わせてオフホワイトのブリキ鉢を選びました。前面にリボンがついたデザインは優しい雰囲気のビオラにピッタリです。白いイベリスはほかの花を上手に引き立ててくれ、黒くて細かいシダのようなレプティネラは大人っぽい雰囲気を醸します。間に株分けしたカレックスをほんの少し入れ、動きを出しています。グラス類はたくさん入れるとくどくなる場合があるので気をつけます。

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配置図
  1. ビオラ ʻクリームソーダʼ
  2. イベリス
  3. レプティネラ
  4. カレックス

鉢のサイズ/直径16×高さ17㎝

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ニュアンスのある花色がしゃれた雰囲気
ウインターパンジー ‘ナチュレ マルベリー’

ウインターパンジー ‘ナチュレ’ シリーズは丈夫で耐寒性が強いので、冬の間から花がよく咲くのが魅力。花径3~4㎝で寄せ植えに使いやすく、花色も豊富に揃っています。そのシリーズからシックな赤系のしゃれた花色を選び、3ポットのみで寄せ植えにしました。合わせたのは寒さで葉色が濃く変化したチェッカーベリーとコクリュウです。真っ白いブリキ鉢に植えるとビオラのアンティーク感のある花色が一層引き立ちます。やや立性なため茎が伸びて少し倒れると花が正面を向いてくれるので吊り鉢にもぴったりです。

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配置図
  1. ウインターパンジー ʻナチュレ マルベリーʼ
  2. チェッカーベリー
  3. コクリュウ

鉢のサイズ/直径20×高さ16㎝

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白い覆輪が花形をより引き立てる
ウインターパンジー ‘ナチュレ シュガーグレープ’

寒さに強い ‘ナチュレ’ シリーズから、白い覆輪と波打つ紫色の花弁が大人っぽい品種をメインに選びました。白い取っ手付きの木製ボックスにイエローの八重プリムラ、イベリスと合わせてみました。取っ手には斑入りのハゴロモジャスミンを絡ませてナチュラル感を出します。箱からあふれるように植えると以前から植えてあったようなナチュラルな印象になります。

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配置図
  1. ウインターパンジー ʻナチュレ シュガーグレープ’
  2. 八重咲きプリムラ
  3. イベリス
  4. 斑入りハゴロモジャスミン

ボックスのサイズ/幅25×奥行18×高さ10㎝

取っ手は含まず植え込み部分のみ。

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この淡ブルー、すてきすぎです!
ビオラ ‘ビビ ヘブンリーブルー’

毎年新しくて珍しいビオラが園芸店に入荷しようとも、必ず一番に使いたくなるビオラが ‘ビビ ヘブンリーブルー’ です。空色の絵の具を水に溶いたような淡いブルーがクールで大人っぽい印象。どんな花色とも合わせやすいのも魅力です。ポット数を多く使い、リースの寄せ植えとハンギングバスケットを作ってみました。さわやかな壁飾りを楽しんでください。

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‘ビビ ヘブンリーブルー’ のリース

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ナチュラルなカゴ素材でできたリース型にビオラを4ポット、イベリスやリーフ類と合わせて植え込みました。ビオラのクールで優しい花色は真っ白なイベリスとよく合います。春になって気温が上昇しても茎があまり伸びず、美しいままふっくらと大きくなってリースの形を保ちます。壁につるしたり、イスの背に立てかけて飾って楽しめます。

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配置図
  1. ビオラ ʻビビ ヘブンリーブルーʼ
  2. イベリス
  3. ダスティーミラー(シロタエギク)
  4. キンギョソウ ʻシルバードラゴンʼ
  5. ラミウム

カゴのリースのサイズ/直径29×高さ9㎝

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イベリス

クリアホワイトの花と濃いグリーンの葉は、どんな花とも相性抜群。冬の寄せ植えの苗選びに迷ったらイベリス、いや、迷わなくてもイベリスがおすすめです!

‘ビビ ヘブンリーブルー’ のハンギングバスケット

ハンギング用のスリットバスケットにビオラ ʻビビ ヘブンリーブルーʼ 5ポットをメインにして植え込みました。ビオラはイベリスやリーフ類と高さが合うので丸くきれいな形にでき上がります。苗をポットから外す際に根鉢の土をそれぞれ半分くらいていねいに落とすと、狭いスペースでも比較的簡単に植えることができます。ダスティーミラーとヒマラヤソケイは株分けして小さくしてから使っています。難しそうに見えますが、ハンギングバスケットは慣れると思いのほか手軽に作れます。美しい壁飾りにぜひチャレンジしてみてください。

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苗の根元の土を落としてスリットに通していく。側面を植え付けたら培養土を加え、上面にも苗を植え付ける。水がよく通るので、土が乾燥しないようこまめに水やりする。

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配置図
  1. ビオラ ʻビビ ヘブンリーブルーʼ
  2. イベリス
  3. ダスティーミラー
  4. ヒマラヤソケイ
  5. ネメシア
  6. ロニセラ ʻマカロンʼ

壁掛け用のハンギングバスケット。縦に入ったスリットに苗を通して植え込むと、バスケット全体が花で隠れるような仕上がりになる。

バスケットのサイズ/幅25.5×高さ22.5㎝

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[管理ポイント]花を長く咲かせ続けるには?

最近では晩秋に植え付けて冬の間も花が咲く丈夫な品種も多く、春までの長い期間楽しめます。そこで気をつけたいのが、寄せ植えの置き場所です。パンジー、ビオラは日なたが大好きなので、日当たりのよい場所に置くと花つきがよくなります。また、こまめに様子を観察して、くるっと丸くなった花がらは摘み取ります。黄色くなった下葉を残しておくと、風通しが悪くなって病気の原因にもなるので取り除きます。長い期間咲かせるには施肥も欠かせません。規定量の液肥を2週間に一度くらい、定期的に施すとよいでしょう。


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土谷 ますみ(つちや ますみ)

東京・八王子のガーデンセンターなどで寄せ植え教室の講師として活躍。「園芸ガイド」などで寄せ植えを多数紹介され、日本全国から生徒が集まる人気講師に。2005年から始めた、旬の植物情報をアドバイスするブログ「kusakiのこの植物をお買い!」が大人気となり、それをまとめた「土谷ますみさんの この植物をお買い!」(主婦の友社)も出版。新著に「簡単で素敵な寄せ植えづくり」(ブティック社)などがある。